古谷の今日も舌っ好調

 火曜に、種牡馬展示としては最後となる浦河へ行き、マリエンバードやキングオブキングスなどを見てきた。マリエンバードは雰囲気がエリシオに似た感じ、少し柔らかすぎる印象がある。それでいて前の出はあまり好きではなかったし、全体のバランスなどは良いが何とも…。キングオブキングスは肩が立っており頭はかなり高い。イメージよりも馬は大きく見せていたが、その割にトモはあまり大きくなかった。また、メイショウドトウやオウドウ、トロットスターなども登場した。ダーレージャパンの馬が入る予定となっている船橋の川島正行師も、翌日に川崎の統一重賞に使っている中駆けつけていた。

 それはそうと、北海道知事選は混戦模様。経済産業局長を歴任している高橋氏が自民党が擁立しているだけに最有力かと思ったが、副知事の磯田氏に加え、昨日酒井道議長が自民党を離党して正式表明した。酒井氏は三石(オグリキャップやアグネスフローラ、ヒシミラクルなどを輩出した生産地)の人なので、この方が当選すれば馬産地としては多少なりとも見通しは明るくなるだろう。後は民主と連合の擁立候補が挙がれば7人が出揃う形となる。知事選の争点にもなり得るホッカイドウ競馬は4月9日に開幕を控え、来週はいよいよゲート練習が行われ、3月中旬から能力試験が始まる。道営入厩馬の4分の3ほどが2歳馬という異常とも言える数だが、ダイヤモナークの下やエリモシックの下、更にはゴールデンカラーズの孫もいたりと今年も良血馬、好馬体の馬が大挙入厩している。

中山1日目11R 内外タイムス杯

 前走はタイムパラドックスに凄い脚を使われ、離された2着に甘んじた◎サンライズキングだが、昇級後2着を繰り返し安定した走りを見せている。中山も経験済み、前に行った馬が有利な馬場でもあり惜敗続きにピリオドを打てそうだ。テンビー産駒の○サンエムノヴァは、小ぢんまりした産駒が多い中では立派に見せ、父の産駒の割には見栄えはする方。着順ほど負けてはいないし、3走前に道悪の芝で勝っている馬でダートの方がより走りは安定する馬だけに巻き返し必至。

 ▲アグネスブレイブは昇級した前走でも前に行けたし、2戦2勝の中舘Jに戻ってこの馬の先行策は不気味。ラムタラ産駒は地方で2頭の重賞ウィナーを出しているし、中央では芝のマイルでも勝ってはいるが長距離や障害で結果を出しているだけに力の要る、スタミナ勝負が最も適した舞台と言える。今の中山はラムタラ産駒には持ってこいに感じる。△アイアンリアリティは見栄えのするサンデーサイレンス産駒。元々後手を踏むタイプに出遅れ必至の蛯名Jでは割引は必要か。使いながら変わりそうな×スリーフォーナイナ、一時期の腹袋からすると大分見れる形になっている×バクシンヒーローが次位。

ちょっと一言:(注目は中山9R水仙賞のナチュラルナイン。道営は1戦1勝、千五のダートで3着以下がちぎれるレースを差し切った。船橋に移ってから馬体はすこぶる良くなっているが、道営時にも見せていた右にササる面で追い辛い状況が出るので終いがどうしても甘くなってしまう。しかし前々走ブリンカーを着けて一変。今回再びブリンカーを着けるが、芝は間違いなく合っているし、腰もしっかりした馬で中山の坂も苦にしない。何より、自信がないと中央には連れて来ない川島正師が使ってくるのも魅力。スズジャパンは多少距離に課題はあるだろうし、コスモインベイダーも詰めが甘い。人気はないがやれない相手では決してない。中山3Rヘイアンウッドマンはチークピーシズをするそうだ。中舘Jで叩いて前に行けるか注目。

 阪神11RアーリントンCに出走するオーゴンプリンスは道営ナンバー2の実力馬。認定が取れた時点で中央に入ることが決まっていた馬で、夏の札幌も芝を使って短い距離の中で4着に好走。全日本2歳優駿は川崎に輸送した時点で20キロほど減ってしまい、まともな稽古ができなかった。今回いきなり強豪が揃うが、芝がダメな馬ではない。先行できる脚もある。印としては×はつける。ゲートをかなり嫌ったが好スタートから逃げ切ったニシノシタンの西下に注目する。)

 先週のコラムでスシトレインのことを書いた時に色々と話題になったようなので改めて…。DDSP(軟口蓋背方変位)は、最近よく耳にする言葉ではあるものの、一般にはあまり知られていない面があるので、サラブレ1月号をお持ちの方は僕のページでそれを書いているので是非改めて見て頂けたらと思います。

 資料によると、「走行中にゴロゴロと、息の詰まったような音がして動きが止まってしまう馬に疑いが持たれる。軟口蓋(上あごの奥)が喉頭蓋(食べ物が気管に入らないようにするもの)の上に変位して、息をはく時に気道をふさぐように膨らむ。そして、この軟口蓋が振動してゴロゴロと聞こえる」もので、病気というよりも弁の動きが弱く成長しきれていない時に起こる症状と言えます。ですのでノド鳴りとは違います。

 手術することもありそのケースでもすぐに競馬に使うことはできるようで、ハギノハンターが道営に転入後にDDSPだった時があり、それで手術をしたがすぐに競馬を使えた(五十嵐冬樹J談)そうです。段々弁に力がついてくることもあり、スターエルドラードもDDSPだったが大分良くなってきたクチです。