古谷の今日も舌っ好調

中山8日目11R フェブラリーS(G1)

 昨年のJCダートの日のコラムに、盛岡の馬場差やその他の内容も書いているので参考にして頂けたらと思う。そして、その後に行われた東京大賞典や川崎記念の内容も踏まえて中心はアドマイヤドン。JCダートでも自信を持って◎にしたが、勝ちに行った分とデットーリの最高の騎乗の前に3着に敗れた。しかし負けて強しの競馬だったし、JBCクラシックのIDMを個人的には82としているが、あれはそれ相当に匹敵する内容をJCダートでも示してくれたと思っている。

 JBCでシャドーロールを外したが首使いは本当に良くなったし、前走時の当欄でも述べたが兎に角春先の貧相な馬体とは雲泥の差。小ぢんまり映るので全体を見渡した時は見栄えのする馬たちと比較すると劣るかもしれないが、この馬自身夏を境に急成長しているのは確か。今度はデットーリはいないだけにイーグルカフェもそれほど怖くはない。ゴールドアリュールも追って伸びる馬ではなく、逃げ馬が揃い急坂の中山では敵にもならない。

 相手筆頭はリージェントブラフ。善戦続きだが後一歩足りない競馬が続いている。帝王賞、東京大賞典、川崎記念とも前に行った馬が有利な馬場状態だったが、それに加えて大賞典はスローに落ち着いてしまったことが誤算。川崎も昨年は砂が浅くなりやたらと時計が出る馬場に様代わりし前有利。それに加えて2、3日前に降った雨の影響で尚更逃げ有利の中、カネツフルーヴが気分良く行ってしまったので追い込み及ばなかった。レース後、「武さん(アッパレアッパレ)の位置が理想だったんだけど全然ハミを取らないで後方に置かれてしまった。太目も多少あったかもしれないが、前半のロスが祟ったと思う。それでも良くあそこまで追い込んできてくれた」と吉田豊J。絞れてくれば、ハイペース必至のメンバー構成だけにJCダートの再現も。

 イーグルカフェは内々で手応え絶好のJCダートは圧巻。リングハミはフランスからしているので2戦ではあったが、その前のフランスで見せ場タップリの3着をしていたのが本物だった。馬っ振りに衰えは感じさせないものもあったしあれ位やれても不思議ではないが、それでもあくまで鞍上の腕で勝ったレース。今回はそうも上手くはいかないだろう。しかし、他馬と違いフレッシュな状態で使えるし、仕上がりも早いタイプだけに一応有力な存在に違いない。ハギノハイグレイドも立派な馬体で見劣りはしない馬だし、速い流れのここは嵌る可能性大。大外をぶん回す福永Jよりは池添Jの方が合っている。

 小回り、しかも砂の深い地方競馬のダートは合わない、とかつてペリエJが言っていたノボトゥルーは、3角から捲る武豊Jの地方競馬でよくやる戦法で完全に克服した。盛岡はコーナーも緩やかで千六はコーナーが2回で済むコースだけにそんなに苦にはしない(一昨年の南部杯もアグネスデジタルから差のない3着)が、昨年の南部杯は「意識的に前に行かせた」と武Jが言っており、これではこの馬は伸びない。それを教訓にJBCスプリント以降は後ろからじっくり行き、大外から強襲。惜しくも届かなかったが短い距離の中、大好走の2着に健闘した。根岸Sは無理せず、千八に距離延長することも考えて終いだけの競馬に徹した印象。本番で変わる要素十分。

 ゴールドアリュールはダービーGPを前半11秒台のラップを2度刻むハイペースで飛ばし、他馬が付いて来れない状況を作ったのでバタバタになりながら大差で圧勝した。東京大賞典は「出負けしたので行く馬がいなければ抑えることも考えた」(武豊J)が、何も行かなかったのでそのままハナに立ちマイペース。この開催前までは内を通った馬が止まっていたのでこの馬には不利かな、とも思ったが、このシリーズはいつものTCKに戻っており、ゴールドアリュールに勝って下さいと言わんばかりのコースになっていた。逃げたら止まらない、それだけに内容はそれほど評価していない。秋のアリュールは本調子を欠いていたし、まだ夏の良い馬体には一息な印象。明日のパドック次第ではあるが、あまりアテにはし辛い馬だ。

 前走は少し太かったプリエミネンスが牡馬相手でも大崩れはなく、JCダートの着差を考えれば侮れない存在。後はダートでもエイシンプレストンは注意したい。カネツフルーヴはこの時期冬毛が出る馬ではあるが、前走は張りが一息だったし馬場の助けもあった。このメンバーでは辛い。ある意味不気味なのはレギュラーメンバーの存在。ここまで押さえたが方が良いかもしれない。ちなみに夏のTCKはかなり時計は出やすい馬場だったので帝王賞、JDDとも時計そのものは暮れの大賞典より遥かに優秀に映るが、下の推定IDMを目安にして頂きたい。

<JCダート>公営、統一重賞の推定IDM(左から5走前、4走前、3走前、前々走、前走の推定IDM(中央、海外出走時は−にします。ご了承ください)。穴埋めし、御参考にして頂けたらと思います。)

2カネツフルーヴ  …78、73、−、59、69

3プリエミネンス  …72、−、75、−、61

4アッパレアッパレ …−、−、−、62、61

5ゴールドアリュール…−、76、74、−、72

6マイネルブライアン…21、−、49、−、−

8ビワシンセイキ  …−、−、−、72、−

10ノボトゥルー   …59、73、71、75、−

11レギュラーメンバー…−、67、72、−、−

15リージェントブラフ…72、68、−、68、68

16アドマイヤドン  …−、−、−、82、−

◎アドマイヤドン   ○リージェントブラフ   △イーグルカフェ  ×ハギノハイグレイド
×ノボトゥルー   ×ゴールドアリュール  ×プリエミネンス  ×エイシンプレストン

ちょっと一言:(中山10RアメジストSは久々でもミッドタウンの能力断然。割と腹目はない馬なので、仕上がりは早いタイプ。しかしトモは凄い馬だ。エルカミーノ、セイコーアカデミー、ベルボクサーが相手。中山9RヒヤシンスSはスシトレインの壮行レースとなるが、初戦後の「ノドがゴロゴロする」というコメントが気にもなるし、DDSPの可能性も少なからずあるように思う。パタッと止まったらその疑いはあると思って良いだろう。でも普通に走れば関西馬でも怖くはない。中山8Rはヤマニンマターがある程度前にも行けるので勝機タップリ。スウィートダンスは速いので前残りの警戒も。蛯名Jから乗り変わるとスタートで違うので、ヒカルトクタイセイはその前までの先行する馬に変わる筈。

 京都7Rのテンノフェアリーは道営出身馬。転入初戦の前回が3着に好走した。水曜に道営時に管理していた原師と話をしたが「内で包まれるようになったから終い良い脚で来れたと思うな。あれが精一杯に思う」と。あの競馬は個人的にもそう思っているし、明日は外枠だけに…。ただ道営時は相当太かったので前走は絞れたと思って良い。キタサンミラージュが最有力に感じる。)